よさこいチームの代表をやっていると、自分のチームでも他のチームでも「よさこいを辞めたい」という相談を受けることがあります。
まず、よさこいを途中で辞めることは、逃げでも、裏切りでも、失敗でもありません。
続けられなかった理由が何であれ、その人がよさこいと向き合った時間そのものが、間違いだったわけではないと思っています。
むしろ、やってみたからこそ分かったことや、「自分には合わないかもしれない」と気づけた感覚は、ちゃんと意味のある経験です。
だからこそこの記事では、「辞めないほうがいい理由」を並べることはしません。
よさこいを辞めるという選択そのものをどう捉えればいいのかを、できるだけそのままの言葉で書いていこうと思います。
もしよさこいを辞めるか迷っている人がいたら、少しでも考えを整理する時間になれば嬉しいです。
辞めたいと感じる瞬間は、誰にでもある
まずよさこいを始めてしばらくすると、こんなことを感じた経験のある人が多いかもしれません。
- 思ったより体力的にきつい
- 生活との両立が難しい
- 周りと比べてしまって、しんどくなる
- なんとなく気持ちが乗らない日が続く
これは、特別なことではありません。
よさこいに限らず人と関わりながら何かを続けていれば、誰にでも起こり得る感覚だと思います。
最初は楽しかったはずなのに、ある日ふと、「このまま続けていけるかな」と立ち止まる。
でも、その瞬間が来たからといって、それまでの時間が否定されるわけではありません。
実際に、途中で離れていった人たちのこと
僕らのチーム「おどりびと」でも、これまでに途中でチームを離れていった人はいます。
仕事が忙しくなった人。
生活の優先順位が変わった人。
チームの雰囲気が、少し合わないと感じた人。
理由は、本当にさまざまです。
中には、「もう少し続けられたかもしれないな」と思うケースもあれば、あとから「この判断で良かったと思っています」と話してくれた人もいます。
しかし、そういった人たちに共通しているのは、「辞めたからといって、その人が間違っていたわけではない」ということです。
よさこいは、続ける人だけが正解になる世界ではない。僕自身はそう思っています。
辞めたい人を引き止めない理由
もう少しチームの話をさせてもらうと、おどりびとでは「よさこいを辞めたい」と相談されたとき、無理に引き止めるようなことはしていません。
もちろん、「一緒に踊れなくなるのは寂しいな」と思うことはあります。
できれば、続けてほしい気持ちもあります。
それでも、その人の気持ちよりチームを優先するようなことはありません。
無理をしたまま続けることはきっと楽しいものにはならないと思いますし、よさこいは義務で続けるものではなく、自分で選び続けるものであるべきだと思っています。
チームを離れても、関係がなくなるわけじゃない
と言うと少し寂しい気持ちばかりが生まれてきますが、もう1つ大切なことがあります。
それは、「チームを辞めたからといって、関係が終わるわけではない」ということ。
実際、これまでにチームを離れた人の中には、お祭りに応援として来てくれたり、サポートスタッフとして関わってくれたり、今でも普通に飲みに行く友人として付き合っている人もいます。
一緒に心を通わせて踊った時間があったからこそ、「チームメイト」である以前に、大切な友人としての関係が残っている。
それは、こちら側だけの気持ちではなく、離れた人にとっても同じだと感じています。
そうしておどりびとで過ごした時間や、よさこいを踊った経験そのものが、その人の人生の中で、ふと支えになるような1ピースになってくれていたら嬉しいなあと。
そんな風に思っています。
続けるのも辞めるのも「向き合った大切な結果」
一方で、迷いながらもよさこいを続けている人たちがいるのも事実です。
そしてその人たちに共通していたのは、「辞めなかったから偉い」ということではなく、「辞めてもいいと思えたから、結果的に残った」という感覚でした。
一度立ち止まって、自分の気持ちをちゃんと見て、「もう少しやってみようかな」と思えた。
その積み重ねが、気づけば今も踊っている理由になっている。
そういう意味ではよさこいを続けた人も、辞めた人も、どちらも自分なりに向き合った大切な結果なのだと思っています。
よさこいは「いつでも戻ってきていい場所」
そして当たり前のことですが、よさこいは「趣味」です。
趣味だからこそ始めるのも、辞めるのも、自由です。
もちろん、辞めたあとにまた始めたくなることがあってもいいでしょう。
仕事が落ち着いたり、生活が変わったり、気持ちが少し動いたときに「また踊ってみようかな」と思えたなら、それも自然なことだと思っています。
これは僕たちおどりびとでも大切にしていることですし、よさこいというのはそうやって「いつでも戻ってきてもいい場所」であれればいいなあと思っています。
だからもし今、「辞めたほうがいいのかな」「続けるべきなのかな」と迷っているなら、無理に答えを出さなくても大丈夫です。
続けることも、離れることも、どちらも選んでいい。
大切なのは、自分の気持ちを置き去りにしないことなのだと思います。

